Q9.【休業手当】
新型コロナウィルス感染症の拡大により、やむを得ず従業員を休業させようと考えていますが、賃金の支払義務や休業手当の支払義務はありますか?
A.まず、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当として60%を支払わなければなりません。
他方、不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。
ここでいう不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものとされています。
緊急事態宣言や要請などのように、事業の外部において発生した事業運営を困難にならしませる事情があり(①)、個別具体的な事情を考慮して、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くていれば(②)、不可抗力にいれるものといえます。
しかしながら、例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、不可抗力とはいえず、休業手当の支払が必要となります。