Q7.【従業員派遣】
親事業者から、「新型コロナウィルス感染症の拡大による在宅勤務の推奨や採用人数の縮小等により人手が足りない。」との理由で、無償で自身の営業活動を手伝うように要請されましたが、違法ではないでしょうか?
A.下請法では、親事業者は、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることは許されないとされ、また、経済上の利益は、協賛金、従業員の派遣等の名目は問わず、下請代金の支払とは独立して行われる金銭等の提供をいいます。
もっとも、①従業員等の協力の条件についてあらかじめ相手方と合意し、かつ当該従業員の協力のために通常必要な費用を小売業者が負担する場合、又は②従業員等が自社の納入商品のみの販売業務に従事するものなどであって、納入業者の負担が派遣を通じて納入業者が得ることとなる直接の利益等を勘案して合理的な範囲内のものであり、納入業者の同意の上で行われる場合には、例外的に派遣要請は許されます。
下請業者としては、①②に該当しない場合には、下請法違反を指摘した上で、設例のような要請の中止を求める、公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。