Q5.【買いたたき】
継続的に取引をしている親事業者から、「新型コロナウィルス感染症の影響で経営が悪化して、今後は、これまでどおりの報酬を支払うことができない。」との理由で、報酬の引下げを要求されました。応じなければならないのでしょうか?
A.親事業者が、発注に際して下請代金の額を決定する際に、発注した内容と同種又は類似の給付の内容に対して通常支払われる対価(市場価格や従来の取引価格)に比べて著しく低い額を不当に定めることは、買いたたきに該当し、下請法違反となります。
判断要素としては、①対価の決定方法、②対価の決定内容、③通常支払われる対価と当該給付に支払われる対価との乖離状況、④当該給付に必要な原材料等の価格動向が重要となります。
そのため、下請業者としては、①下請法違反を指摘した上で、報酬の引下げには応じられない旨回答する、②公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。