接客娯楽業(ゴルフ場)
資金難の原因としては,①過剰な借入債務や多額な工事請負代金が未払いな場合,②預託金返還債務が一斉に到来する場合,③客数減・プレー単価低下による売上不振によるなどが考えられます。
ゴルフ場のビジネスは,初期投資の額が大きい反面,追加投資が必要となることは稀で,ランニングコストの確保さえできれば事業を継続できる状況が整っています。そして,会員としてもプレーする環境が継続されることを望みますし,ゴルフ場という広大な土地を荒廃させれば社会的損失も大きいため,民事再生を活用するべきです。ゴルフ場の重要部分が借地で構成されている場合,営業譲渡やゴルフ場施設の別会社への譲渡を予定するのであれば,賃借権譲渡に対する地主の承諾がネックとなる可能性もあります。
もっとも,再建方法を取りたいが協議ができない場合,経営状況が極めて劣悪な場合,抵当権者が別除権者として早期回収を図る場合などには破産の方法によるしかありません。
このように,当初より破産を申し立てる場合は例外的な場合であり,破産となる多くは民事再生法からの移行の場合となります。