医療保健業(医療法人)
医療法人の破産は,継続的な治療を要する入院患者や通院患者に深刻な影響を与えるばかりではなく,地域医療にも多くの影響を及ぼします。
病院などが経営の破綻により閉鎖となった場合には,健康,生命に関わるという病院の公益性に照らした特別な配慮が必要となるため,まずは民事再生の利用など,再生型の手続を検討すべきです。そして,破産を選択する場合,患者に対する診療行為が中断することのないよう,裁判所,都道府県環境保健部などの行政機関,地元医師会,破産管財人と相互に協力体制を構築するべきです。
また,カルテなどの医療記録は,医師法上の保存義務があるので,破産管財人と協力してその保管体制についても慎重に検討すべきです。